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綴織と表現について

縦糸 織リ図2 織り機2

綴織の歴史は古く、3世紀頃から始まったといわれるエジプトの「コプト織り」や
プレ=インカの織物、西欧のゴブラン織りのタピスリー、そして我が国にも8世紀
頃の遺品もあります。京都西陣で本格的に製品化されだしたのは、18世紀頃から
だといわれています。織り技法は最も単純な二枚絖綜(縦糸を上げ下げする装置)
で織ります。使用する繊維は絹、綿,麻、毛など種類を選びません。私が使用して
いる絹糸の場合、縦糸、横糸ともに撚りをかけた糸を用いています。綴織の特徴は
絵柄を横糸だけで表現していき。縦糸は全く見えません。織り絵(図案)を縦糸の
下に置いて、その織り絵に合わせて織っていきます。また、どんな小さな部分でも
その部分で往復して織りますので把釣孔(はつり)という割れ目が生じます。織り
方にはいろいろの技法があります。ゴブラン織りや絨毯などのように櫛を用いて織
る方法。筬(おさ)で打ち込んでいく方法、そして、今ではあまりする人がいなく
なりましたが、爪かきといって、手の爪先をノコギリの歯のようにギザギザにヤス
リで研いて、そのギザギザにした爪で織っていく方法もあります。私はこの爪かき
の技法で制作しています。
 綴織は、多くの織物の中で、最も絵画的表現をするのに適した技法だと思います。
多種類の繊維を用いて、太さの違う糸を用いて、でこぼこな面を作る表現方法もも
ありますが、現在私が試みている作品は平面作品です。同じ太さの絹糸を用いてフ
ラットな面の中での表現に挑戦しています。テーマは現代思想や社会現象を意識し
た作品で、これを抽象表現で描いています。21世紀の混沌とした社会構造の中で私
自身はどういう存在であるべきかを追求していきたいと考えています。


     
織り機 織り図 個展